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日本は外国公務員贈賄への法執行に関する長年の懸念に対処することが急務

 

パリ、2019年7月3日 - OECD贈賄作業部会の新たな報告書によると、日本は外国公務員贈賄に関する法律の執行を強化し、且つ法執行機関が外国公務員贈賄罪の発見、捜査、起訴を積極的に行えるようその能力を向上させることが不可欠です。

44カ国で構成されている同作業部会によると、日本は引き続き、贈賄防止のための法の執行状況が特に低い水準であることが明らかになっています。同国では1999年以来、外国公務員贈賄で起訴されたケースがわずか5件で、また処罰されたのも個人12人と企業2社に過ぎません。日本の法執行の割合は、同国経済の規模や輸出指向という性質、あるいは同国の企業が営業する高リスクの地域とセクターに見合っていません。

作業部会は先ごろ、外国公務員に対する贈賄の防止に関する条約(OECD外国公務員贈賄防止条約)及びその関連手段にかかる日本の実施状況について、フェーズ4審査を完了しました。フェーズ4審査報告書の中では、これまでの日本向け審査フェーズで既に特定されている懸念が繰り返し指摘されています。

日本が同条約の実施を改善できるように、作業部会は同国に対して下記を含めた一定の措置を取るよう勧告しています:

  • 特に外国公務員贈賄への処罰を重くし、且つ時効期間を長くするために、法的枠組みの主な構成要素を改善すること;
  • 法人に対する属人管轄権を確立するための枠組みを拡大すること;
  • 外国公務員贈賄を発見する可能性のある政府機関に対して、そのためにさらに積極的な活動を行うよう奨励すること;
  • 一定の疑惑の伝達・特定における法務省の関与によって捜査の開始が不必要に遅れないよう万全を期すこと;
  • 検察の捜査と起訴については、特に法務省や経済産業省など、行政機関からの独立性を保ちながら行われるよう万全を期すること;
  • 外国公務員贈賄の捜査の際には、自白や自発的な対策への依存を減らすなどして、警察と検察の両方がさらに積極的に活動し且つ協働するよう万全を期すこと

 

作業部会はその一方で、前回の審査以来多くの進展があったことも指摘しています。とりわけ、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(組織的犯罪処罰法、AOCL)の2017年の改正によって、日本では外国公務員贈賄で得られた収益については没収が可能になるとともに、そのロンダリング(洗浄)が犯罪とみなされ、その結果、OECD外国公務員贈賄防止条約の実施における重大な抜け穴がふさがれました。日本はまた、2018年6月に新たな「合意制度」(Agreement Procedure)を導入し、これによって同国は外国公務員贈賄事件をさらに効果的に捜査且つ断定できる可能性もあります。そして、日本のODA実施機関(JICA)は外国公務員贈賄罪に関与した企業を対象とした厳しい締め出し方針を策定及び実施しており、それは外国公務員贈賄罪を処罰する上で強力な手段となりうるでしょう。

日本に関するフェーズ4審査報告書は2019年6月27日、OECD贈賄作業部会によって採択されました。同報告書の 88-94ページ上に作業部会の日本に対する勧告が記載されているほか、最近の法執行活動や、外国公務員贈賄の防止に向けた日本の枠組みにおける特定の法的、政策的及び制度的な特徴が概説されています。標準手続きに従って、日本は勧告全ての実施状況及び執行努力についての報告書を作業部会に対して2年以内(2021年6月まで)に提出することになっています。この報告書はまた、一般に公開されます。さらに、日本は1年以内(2020年6月まで)に、国内実施法令の重要な改正及び法執行努力に関する4つの勧告についての報告書を提出する予定です。それまでに日本が十分な進捗を示さなかった場合、外国公務員贈賄罪に対する日本の法執行を強化するための解決策を模索する目的で、作業部会は専門家ミッション団の派遣を手配します。

本報告書は2016年に開始されたOECD贈賄作業部会のフェーズ4審査の一部です。同作業部会はフェーズ4において、評価される国について固有の難問や成果を審査します。また、贈賄発見や法執行、企業責任、国際協力といった課題についても調査を行うとともに、以前の報告で指摘されたものの依然として未解決の問題も取り上げます。

本件の詳細に関する報道関係者のお問合せについては、OECD 汚職防止課(Anti-Corruption Division)のDaisy Pelham(+33 1 45 24 90 81)までご連絡ください。また、汚職防止に向けた日本の取り組みに関する詳細情報は、http://www.oecd.org/daf/anti-bribery/japan-oecdanti-briberyconvention.htmで閲覧できます。

 

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