世界経済は全体的に勢いが増しているが、持続可能で包摂的な中期的成長を確保するため、さらなる政策行動が必要

 

OECD - パリ、2017年9月20日

 

『OECDエコノミック・アウトルック中間報告(Interim Economic Outlook)』によると、世界経済は、投資、雇用、貿易が拡大しほとんどの国々の経済成長が後押しされていることから、勢いを増しています。

 拡大のペースは2016年よりも今年の方が早く、2018年にはさらに勢いが増すと見られていますが、強く持続可能で包摂的な中期的成長が保証されたわけではありません。

 本アウトルックによると、企業の投資と貿易は回復しているものの健全な生産性の伸びを維持するには弱すぎ、また賃金の伸びも概して期待外れで、労働者全体の賃金が公平に増えている訳ではありません。新興諸国の市場は、世界全体の成長の鍵を握っていますが、今後強い成長を実現できるかは、更なる改革が進むか否かにかかっています。

キャサリン・マンOECDチーフエコノミストは、次のように述べています。「短期経済見通しはより広範囲にわたり改善が期待できるが、自己満足している余裕はない。いくつかの国々では引き続き金融政策を緩和すべきだが、その他の国々では財政安定化を念頭に置いて、財政・構造イニシアチブに向けて更なるバランス回復を後押しする必要がある。回復しつつある投資をさらに強化し、鈍い生産性の伸びに取り組み、回復の恩恵があらゆる人々に行き渡るようにすることに、構造改革を集中させる必要がある。

 財政政策は多くの国々で緩和されている今、財政的な余地が経済成長を拡大し、公平性を促進する財政措置の導入に活用されるようにしなければならない。」

 

OECDの予測では、工業生産と貿易が上向き、また技術向け支出の回復が一層加速するため、世界経済は今年は3.5%、2018年は3.7%の成長となります。

 この予測には、前回2017年6月に発表されたエコノミック・アウトルック以降の世界経済の緩やかな改善が反映されています。 

 主要先進諸国の伸びは引き続き緩やかです。米国では、消費支出と企業投資がさらに強まることで、2017年の成長率は2.1%、2018年は2.4%になると予測されています。雇用創出も依然として堅調ですが、金融緩和と規制改革が2018年にどの程度の追加的上昇をもたらすかは不透明です。

 ユーロ圏の経済成長は、2017年は2.1%、2018年は1.9%になると見られています。主要欧州諸国の成長がより強まっていることから、前回のアウトルックから上方修正されています。

 ドイツの成長率は2017年は2.2%、2018年は2.1%、フランスは2017年は1.7%、2018年は1.6%と予測されているのに対して、イタリアは2017年が1.4%、2018年は1.2%の伸びになると予測されています。予測値の修正には、雇用率の上昇、金融緩和政策、政治的不安定材料の減少などを背景に、2017年上半期の実績が予想以上に堅調だったことが反映されています。

 英国では、前回のアウトルックで明らかになった成長の鈍化が2018年も続くと見られる一方、EU離脱の決定を巡る交渉の結果について不確定要素も残されています。失業率は4.5%を下回っていますが、生産性と実質賃金の伸びは引き続き弱い状態にあります。ポンドの下落によって輸出の見通しが若干改善しているだけでなく、インフレも後押しされています。このような状況で、英国の成長率は2017年は1.6%、2018年は1%になると予測されています。

 日本の成長は、公共投資の増加とアジア市場の堅調な成長に後押しされて2017年上半期は上昇しており、2017年の成長率は1.6%になると見られ、2017年6月発表の予測を若干上回っています。企業収益が増加することで2018年を通じて企業投資が強化されると見られますが、賃金の伸びが鈍く、財政再建も進まなければ、2018年の経済活動が圧迫されることになります。2018年の成長率は1.2%になると予測されています。

 カナダの成長率は、2017年が3.2%、2018年は2.3%になる見込みです。

 主要新興市場諸国の経済成長は、一部の一次産品生産者の回復と、中国における公共インフラ投資の増加により総じて改善されますが、いくつかの石油輸出国では不振な状態が続きます。中国の成長率は上方修正されて2017年は6.8%、2018年は少し下がって6.6%になると見られていますが、これは景気刺激策が緩和され、企業債務の安定化と経済のバランス回復の取り組みが引き続き行われるためです。

 インドでは、通貨廃止と財・サービス税(GST)の導入の一過性効果により、成長予測が下方修正され、2017年は6.7%、2018年は7.2%になる見込みです。長期的に見ると、GSTは投資、生産性、経済成長を高めると見られています。

 ロシアは原油価格の上昇と利率の下落が短期的な成長をもたらすため不況から回復しつつあり、2017年、2018年とも成長率は約2%になると予測されています。ブラジルでは、金融緩和に後押しされて景気が徐々に回復しており、インフレ率の大幅な下落が消費意欲を後押ししています。2017年の成長率は0.6%、2018年は1.6%になる見込みですが、中期的な成長見通しは、年金改革を含む改革によって財政の持続可能性を確保し生産性の伸びを拡大できるかにかかっています。

 エコノミック・アウトルック中間報告は、政策当局に金融支援中心から、成長と賃金上昇を後押しする財政構造支援へとバランスを取り戻すよう改めて求めています。税と歳出政策をより良く活用してより包摂的な成長を実現するよう呼びかけるとともに、生産性、賃金、人々の技能を高めるために構造改革の取り組みを強化することがどの国にも求められると述べています。

 

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OECD Media Office (+33 1 4524 9700).

 

詳細は下記のサイトをご覧ください。

http://www.oecd.org/economy/outlook/economic-outlook/

 

 

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